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インタビュー(2)野呂芳明さん:Interview with Mr. Noro [インタビュー]

インタビュー:野呂芳明さん(立教大学教授、代官山アドレス管理組合理事長)
Interviewee: Mr. Yoshiaki Noro (Professor, Rikkyo University;
President, Daikanyama Address Residents Association)

野呂芳明さん 同潤庵の前で:Mr. Noro in Front of "Dojunan"

10月16日(月)午後4:30ころ代官山アドレス内の落ち着いた茶屋風の和室「同潤庵」で、管理組合理事長の野呂さんとお会いして色々とお話しをうかがいました。
野呂さんは、社会学者として興味を持ったコミュニティに住み込んで住民と交流しつつ研究を進めるスタイルを大切にされており、2000年以来代官山アドレスに住んで、管理組合の仕事をされてきたのもそのような動機が多少働いたからとのことでした。特に再開発という事業について、建物というハード面もさることながら、そこに住む人たちがこれから新しく作り上げる共同体について研究をすると同時に何か手伝いができればと思われたそうです。
管理組合の仕事で苦労された問題は、(1)対内的には住民に当事者意識を持ってもらい、望ましいコミュニティを醸成して、お互いに折り合って問題解決をはかるようにすること、また(2)対外的には高層再開発がもたらす周辺地域との摩擦をやわらげて、アドレスを地域社会の中に定着させていくことで、これらの問題は少しずつ解決に向かっているとのことです。
例えばアドレスの町内会が周辺の町内会と協力して夏祭りのおみこしや山車を運行したり、ちょうちんの飾りについて周辺の商店街とも協力して進めるなど、地域社会に入り込んで認知されてきた。またアドレスのコミュニティ・スペースや倉庫のスペースなどを周辺の町内会にも開放してサービスを提供したことも相互に理解を深めることに役立ったとのこと。
ただし、課題はいかに代官山全体でビジネスを始め色々な人の集まりや活動レベルを上げるかということで、ここ数年商売が不振になってきており、昨年春にアドレス内にあった地域の拠点ともいえるスーパーが撤退するなどの問題が生じている。したがって、今後はアドレスの中の広場を活用してイベントを行なったり、商店街主催で人が集まる仕掛けを考えていく必要があり、代官山全体としてもっと発信を強めていきたとのことでした。ここ数年やっているクリスマスのイルミネーションを今年は少し早めに代官山全体の風物詩になるように工夫するなりといった、広がりを演出する仕掛けがその一例かもしれません。
最後に代官山の長期的な展望については、最近トレンドとなった超高層の大規模再開発と違い、代官山にはこだわりをもった人たちが集まり、何らかのライフスタイル情報を発信している点が財産なので、それをさらに引きだしてネットワークを作っていけば将来は明るいのではないか。そのために現在若い人を巻き込んだ勉強会を開いており、色々な提案も出てきているとのことでした。
この野呂さんとのインタビューによって、私自身これまで外からしか見ていなかった代官山アドレスの中の人たちの考え方や感じ方が少し分かった気がして、代官山全体をコミュニティとして見る発想がより身近に感じられるようになりました。代官山の将来はまだまだ明るいと確信した次第です。
なお野呂さんの代表的な著作「生きがいの社会学」については以下を参照ください:
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/kbn3653.html
「代官山アドレス」について:About Daikanyama Address:
http://www.17dixsept.jp/web/about/

I interviewed Mr. Noro at a tea room, Dojunan, inside Daikanyama Address from 4:30pm on October 16. He has been a resident of Daikanyama Address since its opening in 2000, partly because he was interested in living in a community that he would like to study as a sociologist.
As president of the residents association, he has been trying to deal with the following problems:
1) Internally, how to encourage residents to interact actively with each other to form a real community for collective problem-solving;
2) Externally, how to reduce tension (caused by highrise development) with neighboring communities and be recognized as a member of the greater Daikanyama community.
These problems are gradually being resolved by cooperation with other town associations (“Chonai-kai”) in the "Bon" festival and Christmas seasons, and also by offering open space and facilities for neighboring community needs.
A serious challenge for Daikanyama is how to revitalize business and social activities by strengthening relations and interactions among businesses, residents, and visitors. There should be a bright future for Daikanyama, if new ideas and means can be found to mobilize the excellent human resources that already exist in this community, according to Mr. Noro.
About "Daikanyama Address":
http://www.emporis.com/en/wm/cx/?id=115148


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